まずは家系図作り!そのあとにやってみたいこと6選も紹介

お役立ちコラム

家系図作りは、ご先祖様に思いを馳せ、供養する有効な手段のひとつです。
100年以上も前に実在していたご先祖様をたどることは、非常に感慨深いものがあるでしょう。

そして家系図を作るだけでなく、家系図を作ったあとにできることも多く存在します。
本記事では、家系図作りについて解説するとともに、家系図を作ったあとにやってみたいことも紹介しています。ぜひご参考にしてみてください。

家系図作りのはじまりは「戸籍謄本」をさかのぼるところから

家系図作りは「戸籍謄本」をさかのぼるところからはじまります。

現在取得できる一番古い戸籍は「明治19年式戸籍」と呼ばれるものです。順調にさかのぼることができれば、幕末あたりのご先祖様まで調べられます。

戸籍謄本で江戸時代生まれのご先祖様を見てみると、「嘉永」や「文政」など歴史の教科書でしか触れてこなかった遠い時代が、急にリアルなものに感じられます。
目に見えない神様や仏様も尊いものですが、ご先祖様があの時代に本当に生きていたという事実は揺るぎないものです。ルーツを知ることでご先祖様への感謝が深まります。

戸籍謄本の請求方法

戸籍謄本は、本籍地の市区町村役場へ請求します。本籍地がわからない方は、まず居住地の市区町村役場で「本籍地記載の住民票」を取得して本籍地を調べましょう。
請求は窓口だけでなく、郵送でも可能です。スタートはご自身もしくは親(1代前)を起点として「可能なかぎりさかのぼってください」と請求します。

父方と母方の両系統をさかのぼるパターンと、どちらか一系統のみをさかのぼるパターンがあるため、希望に応じてさかのぼるパターンも伝えます。

父方も母方も先祖代々同じ市区町村に本籍があれば、そこですべてが完結します。
そうでない場合は、さかのぼれなくなった時点の戸籍謄本を解読して、どこの戸籍から転籍してきたのかを調べて、その転籍元の市区町村役場にあらためて戸籍謄本を請求します。

スタートと同じように「可能なかぎりさかのぼってください」と伝えましょう。そして、またさかのぼれなくなったら戸籍謄本を解読して、同じく転籍元の市区町村役場へ請求を続けます。

これを繰り返していけば、戸籍謄本をさかのぼってご先祖様をたどっていけます。

戸籍謄本の請求に必要なもの

【戸籍交付申請書】

申請書は窓口に備え付けてあるほか、各市区町村ホームページでもダウンロードできます。
必要事項が書かれていれば、自作の申請書でもかまいません。必要事項は以下のとおりです。

  • 請求する本籍
  • 筆頭者氏名
    • 戸籍の一番最初に書かれている人のことです。スタートであればご自身か親になります。さかのぼる途中であれば、転籍元が記載されているところに書かれている人です。
  • 全部事項証明書(戸籍謄本)
    • 請求するのは「抄本」ではなく「謄本」です。抄本は一部の人だけの請求になります。
    • 申請書には戸籍謄本のほかに「除籍謄本」や「改製原戸籍謄本」といった記入欄がありますが、それぞれ「各1通」と書いておけば問題ありません。さかのぼる過程で除籍や改製原戸籍が出てくれば、役所の方で自動的に判断してもらえます。
  • 使用目的または請求理由
    • 家系図作成や先祖供養のためと記載します。また「父方、母方双方すべての直系尊属の戸籍(出生から死亡まで)を、可能なかぎりさかのぼってください」の旨も忘れずに書きましょう。
  • 請求者の氏名、住所、連絡先、筆頭者との続柄
    • 連絡先は日中に連絡が取れる電話番号を記載します。不備や不明な点があった場合、スピーディーに解決できます。

【筆頭者の直系であることを証明する書類】

戸籍は直系にあたる人しか請求できません。

そのため、さかのぼっていく過程でほかの市区町村に戸籍謄本を請求する場合は、筆頭者の直系であることを証明するために、それまで集めた戸籍謄本のコピーを合わせて提出する必要があります。
戸籍謄本のコピーだけだと関係がわかりづらいため、簡単な家系図も添えると親切でしょう。

【委任状】

戸籍は直系にあたる人しか請求できません。
もし傍系(兄弟姉妹の系統)も含めた家系図を作る場合は、傍系の直系子孫にあたる人に委任状を書いてもらう必要があります。

【身分証明書のコピー】

窓口請求の場合は原本を提示すれば良いですが、郵送の場合はコピーを同封します。
運転免許証や健康保険証、マイナンバーカードなどが使えます。

【手数料】

窓口請求の場合は現金で支払えますが、郵送の場合は定額小為替か現金書留を利用します。

戸籍謄本は1通450円、除籍謄本・改製原戸籍謄本は1通750円です。
さかのぼる場合は合計で何通になるかわからないため、多めに5,000円〜10,000円分を同封します。お釣りは、請求した戸籍謄本とともに返ってきます。

【返信用封筒】

返信用封筒も準備する必要があります。

角形2号の封筒に切手を250円(250g以内)か、それ以上の重量になりそうな場合はレターパックライト(370円、4kg以内)がオススメです。
また、返信先は請求者の住民登録地にかぎります。

戸籍謄本の請求はお早めに

注意点として、古い戸籍は時間が経過すればするほど廃棄される可能性が高くなります。
家系図作りに興味のある方は、戸籍謄本の請求だけでも早めにしておくことをオススメします。

戸籍謄本さえ入手しておけば、細かい解読作業はゆっくりでもかまいません。
戸籍謄本の請求や解読作業をご自身でおこなうのが難しい場合は、私どもが家系図制作のお手伝いをいたしますので、お気軽にお問い合わせください。

家系図を作ったあとにやりたいこと6選

家系図を作ったあとにやりたいこととして、以下の6つを取り上げてみます。

  1. お墓参り
  2. 家族の歴史を親戚にきく
  3. 地域の郷土資料を調べる
  4. 国会図書館デジタルコレクションでご先祖様の名前を調べてみる
  5. 軍歴証明書を取得する
  6. 旧土地台帳を取得する

1. お墓参り

ご先祖様へ思いを馳せる手段として、お墓参りは欠かせません。
ご先祖様へ感謝を伝えるため、なにはともあれしておきたいものです。とくに家系図を作ったあとは、ご自身のルーツへの理解が深まっているため、より深い気持ちでお墓参りができます。

これまではご先祖様といっても祖父母や曽祖父母の代までしか意識のなかったものが、さらにその先の高祖父母(4代前)や5代前、6代前と意識を広げて感謝できるようになります。
お墓が遠方にあったり、なかなか時間が取れなかったりして難しいこともありますが、墓前でご先祖様へ思いを馳せることは格別の供養になりますのでオススメします。

2. 家族や親戚にご先祖様の話を聞く

家系図を作ったことをきっかけに、ぜひ家族や親戚にご先祖様の話を聞いてみてください。
普段はご先祖様のことなど話さない方でも、家系図があることで非常に話しやすくなります。

とくに御祖父様や御祖母様などご高齢の方のお話は貴重です。話を聞かなかったら、そのご先祖様の話は永遠に語られない可能性もあるため、チャンスがあればぜひいろいろ聞いてみましょう。
いままで全然知らなかった事実が聞けたり、時をこえて人生の教訓となる言葉があったりするかもしれません。

3. 地域の郷土資料を調べる

戸籍謄本には本籍のほか、出生地や死亡地などが掲載されています。
ご先祖様のルーツとなる土地がわかったら、その土地の郷土資料を調べてみるのも良いでしょう。

郷土資料は郷土誌や郷土史として、地域の図書館や郷土資料館に保管されています。
地域の主な産業や、昔あった出来事がわかるほか、なかにはご先祖様のお名前がそのまま掲載されていることもあります。
郷土資料を通じて、ご先祖様がどのような暮らしをしていたのか想像し、DNAが揺さぶられる思いをする方もいるかもしれません。

4. 国会図書館デジタルコレクションでご先祖様の名前を調べてみる

「国会図書館デジタルコレクション」(https://dl.ndl.go.jp/)という大変便利なサイトがあります。
デジタル化された国会図書館の所蔵資料が約311万点あり、そのうち約247万点の資料がテキスト化され全文検索が可能です。

現地に行かなくてもパソコンやスマホでご先祖様の名前を検索すれば、膨大な資料のなかからご先祖様の掲載されたページをピンポイントで閲覧できます。
ご先祖様が商売をしていた場合などは、高い確率で「商工録」などのなかに名前を見つけられます。ご先祖様の生きていた証をさらに感じられることでしょう。

5. 軍歴証明書を取得する

ご先祖様が「戦争に行っていた」という話があった場合、軍歴証明書を取得できる可能性が高いです。
軍歴証明書とは従軍していたときの公式記録で、陸軍については各都道府県、海軍については厚労省が管轄しています。

氏名や官職のほか、叙位叙勲、招集時期、出航した港、配属、任官、進級、従軍記録、賞罰、傷病・治癒、招集解除時期など、かなり詳細な情報が得られます。ご先祖様の違った側面を見ることができるでしょう。
ご先祖様の戦争での足跡を追い、その苦労をねぎらうことは供養につながります。

6. 旧土地台帳を取得する

ご先祖様が土地所有者だった場合は「旧土地台帳」を取得してみましょう。旧土地台帳は「登記事項証明書」の前身にあたるもので、各地域の法務局が保管しています。
当時の経済状況などがわかるほか、戸籍謄本が破棄されてしまっている場合でも、旧土地台帳からご先祖様の名前などが判明することもあります。

まとめ

ご先祖様に思いを馳せる手段として、家系図作りは非常に有効なものです。
そして、家系図を作ったあとにもできることがたくさんあります。今回は6つ紹介いたしました。

「お墓参り」
「家族や親戚にご先祖様の話を聞く」
「地域の郷土資料を調べる」
「国会図書館デジタルコレクションでご先祖様の名前を調べてみる」
「軍歴証明書を取得する」
「旧土地台帳を取得する」

いずれも有意義なものですが、とくに「家族や親戚にご先祖様の話を聞く」はご家族の高齢化や、新型コロナウィルスによる影響で会えないなど、期限的な問題があります。
家系図があれば話も弾みますので、ぜひ早めに家系図をお作りになり、ご先祖様の大切な話をする機会を逃さないようにしていただきたいと願います。

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

関連記事一覧